うつ病と診断されたのは、20代前半の頃。
でも、うつの症状が出始めたのは、もっと前。大学生の頃でした。
最初のサインは、突然の不登校。
でも、回復してしまえば
「まぁ、よかったね」
で終わってしまって、私自身も深く考えませんでした。
社会人になってからは、気分の浮き沈みが激しくなり、
体が動かない、朝起きられない、涙が止まらない――
そんな日が増えていきました。
いろんな病名も言われました。
適応障害、抑うつ状態、うつ病。
中でも、きっかけがはっきりしていて心が折れてしまったとき、医師から「うつ病」と診断され、そこからずっと治療を続けてきました。
…とはいえ、“治療”といっても、通院して薬をもらうだけ。
薬の量は変わらないまま、何年も同じものを飲み続け、
気分の波は変わらずやってくる。
仕事にはなんとか行くけど、有給でやり過ごす毎日。
次第に「治したい」という気持ちも薄れて、
通院はただの“日課”になっていました。
診察はいつも一瞬。
「調子はどうですか?」
「変わりありません」
それで終わり。
気分の波があるのは、私の性格のせいだと思ってた。
小さな落ち込みなんて、先生に言うほどでもないって。
でも、ある日――
頭を床に打ちつけてしまう日が続いて、「これはおかしい」と思って、ようやく先生にちゃんと伝えました。
すると、先生は真剣に私の話に向き合ってくれました。
そのとき、ようやく気づいたんです。
「これは私がダメなんじゃない、病気のせいだったんだ」って。
10年以上病院に通って、やっとたどり着いたその気づき。
今まで、自分を責め続けていました。
朝起きられないことも
体が重くて動けないことも
涙が止まらないことも
感情が爆発しやすいことも
自傷行為も
気分の波も
全部、「自分の性格だから」「自分が弱いから」って。
休んでも休んだ気になれず、ただ罪悪感だけが残った。
心が晴れることなんてなかった。
でも今は、少しずつ変われてきた気がします。
新しい薬も合っているようで、
そして、私に向き合ってくれた先生にも感謝しています。
うつ病は、「治そう」とする前に、
まずは「ちゃんと向き合うこと」が大切なのかもしれません。
自分の心を理解して、うつ病を受け入れること。
それができたとき、少しだけ、気分の波がやわらぐ瞬間もあるように思えたのです。
10年以上かけて、やっと学んだ大切なこと。
それは、自分の病気にちゃんと “向き合うこと” でした。
今も、日々の仕事や生活の中で、
周りには「普通」に見えても、心の中では大きな波と戦っている人がいると思います。
私もその一人でした。
うつ病や双極性障害を抱えながら働いている人、誰にも言えず苦しんでいる人――
あなたのその頑張りは、本当にすごいことです。
少しでも「自分だけじゃない」って思ってもらえたら、うれしいです。